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村上春樹の『大いなる眠り』

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バンアレン帯は地球を取り巻く磁場であり、バレンタインディはフェロモンを取り込む秋波であるが、ワタシにはどちらも縁が遠いモノに違いはない。

晴ではなかったけど雪は降らなかったので、1週間ぶりにMTBで図書館まで。気温も高くなってきたので雪がザケて走りにくい。もう冬も終わりかと思わせるけど、まだ降るんだよね。大きな道路は路面が出て乾いているので、スタッドが減る気もしてもったいない。いっそのことブロックタイヤに履き替えようかとも思う。まだ早いな。しかたがないから「三つ数えろ」を見ながらのろのろローラーを漕いだ。

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『大いなる眠り』(チャンドラー・村上春樹 早川書房)

このくらい大名作になるとあらすじなんぞ無用になる。
正直いうと初読である。チャンドラーはこの『大いなる眠り』だけ双葉十三郎訳で創元社推理文庫から出ていて、何か読みにくかったので読まなかったのだ。だから、ワタシにとってチャンドラーは清水俊二訳が普通だった。

『長いお別れ』を村上春樹が訳したとき「読もうか」と食指が動いたが何となく止めていた。今回は初めて読むっつーことで楽しみだった。ところが読んでみてなんか村上春樹を呼んでいるような感じになってくるから不思議。もともと村上春樹の記述は清水俊二訳のチャンドラーに似ているのだ。
 
私はそれについてほとんど丸一日考えていた。オフィスを訪れるものは一人もいなかった。一本の電話もかかってこなかった。ただ雨が降り続けた。(p227)
 
ハリー・ジョーンズとのシーンの最後だけど、これが『羊をめぐる冒険』の中の羊の写真を見ながらつぶやくシーンといって「絶対違う!」と言い切れる人は相当なマニア以外おそらくいないだろう。極めつけは
 
「やれやれ」と私は呻いた。「そして君は私をこの部屋に閉じこめている」(p261)
 
でた~! 「やれやれ」
これがないと村上春樹じゃないよね。

あ、書き写して気がついたんだけど村上春樹が自分の小説で使う人称は「ぼく」だけど、翻訳した『大いなる眠り』では「私」に統一している。
清水俊二訳で調べてみると、地の文では「私」、会話では「ぼく」になっている。これは村上春樹訳のほうがいい。

チャンドラー=清水俊二訳の信望者に「原」がいる。名作『私が殺した少女』の作者だ。彼は徹底的にチャンドラー=清水俊二訳の文体に拘っているけど、「ぼく」は使わず、すべて「私」で統一をしている。
文体が似ている感じでは村上春樹より原の方が上なんだけど、別に文体模写の競争をしているわけじゃないからいい。

…とにかく『大いなる眠り』を読んでいる最中は楽しかった。昨日も書いたけど、BGMにジャズを流してゆったりとコーヒーを飲みながら古き良きハードボイルドを読むなんて爺むさいことが大好きなのだ。
昔は「バーボンを飲みながら」だったんだけど、酒を止めたのでコーヒーになった。それで気づいたんだけど、作中の連中よく飲むなぁ。のべつブランデーだのスコッチだのを飲んでいる。バーボンが出てこないのは西部劇になってしまうからだろう。

オススメ本なんだけど、清水俊二訳で読みたかった…とホンネをもらさずにはいられないなぁ。
 
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「三つ数えろ」~マーロウはボガートじゃ!

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またもや雪。今日は午後から病院である。毎度毎度つまらぬ。
切れ切れに「マルタの鷹」を見ながらローラーをのろのろ回した。

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「三つ数えろ」は『大いなる眠り』の映画の邦題である。なかなかよい題名だと思う。

映画の中でカシーノが
「三つ数える間に言え」
といい、最後のシーンでボガートが
「映画のように三つ数える」
と言うところから来ている。

『大いなる眠り』は今回初めて読んだが「三つ数えろ」は何回か見ている。

映画館のない田舎の中学生はテレビの深夜映画を楽しみにしていた。とにかく名作映画が見たかったのだ。

何が名作か、という基準になったのはいろいろあるけど、和田誠さんの『お楽しみはこれからだ』は大きい。

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『お楽しみはこれからだ』は、いわばワタシの映画の教科書だった。
この本は、イラストレーターで映画ファンの和田誠さんが心に残った映画の名台詞をキネマ旬報に連載したもので、10代の頃繰り返し読んだのでほとんど覚えている。

「三つ数えろ」の中のローレン・バコールに対しボガートのセリフ。

「だらしない格好してるのね」
「背も高くないしな。今度来る時は竹馬に乗って、ホワイト・タイをして、テニスのラケットを抱えてくるよ」

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ただし、DVDでは省略されて「テニスのラケット~」がなくなっている。
もう『お楽しみはこれからだ』で覚えてるから違うとがっかりするのだ。

また、原作ではボガート演ずるマーロウはヴィヴィアン(バコール)の妹に
「背が高いのね」と言われたのだが、現実のボガートはそんなに背が高くないので映画では
「背が低いのね」と言われてしまう。

映画化の際にボガートが監督に「運転手を殺したのは誰だ」と聞いた。
監督のヒューストンもわからなかったので原作のチャンドラーに電報を打ったら
「知らない」という返事が返ってきた、という有名なエピソードもこの本で知った。

そう、はじめにこの本ありきだったのだ。だからこそムリに原作を読まなかったとも言える。
映画の「長いお別れ」ではマーロウにエリオット・グールド。軽い感じで合わない気がする。『お楽しみはこれからだ』でも登場していなかった。だから映画を見なかったので、かえってすっきりと『長いお別れ」は読めたのかもしれない。

とにかく、マーロウ=ボガートに異存がある人はいないんじゃない?

1944年撮影。今更だが、戦時中にこういう映画が撮れるという豊かさにあきれる。
 
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「重いな、これは何だ」 「夢のかたまりさ」

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またもや雪。太平洋側の方が降っているらしい。
巨大隕石がロシアに落ちた。けが人が多数出てるけど、その隕石を大量に見つけられれば大金持ちだね。不遜な思いは隠して地味に、「マルタの鷹」を見ながらローラーをよろよろ回した。

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「マルタの鷹」はダシール・ハメットの同名小説を1941年に映画化したもの。

原作は「マルタの鷹」と呼ばれる鷹の形をした莫大な財宝をめぐるハードボイルドである。

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ハードボイルドの初めはミッキー・スピレーンのマイク・ハマーものだが、やはり有名なのはチャンドラーのフィリップ・マーロウとハメットのサム・スペードだろう。両方ともベストはボガートなので私立探偵というと、白(ベージュ?)のトレンチコートに中折れ帽という定番スタイルになってしまう。もっとも「カサブランカ」でもこの格好をしているから当時は当たり前だったのかもしれないが、「マルタの鷹」では白のトレンチコートは出てこない。「カサブランカ」は酒場のオヤジ役だったので、私立探偵は「三つ数えろ」のイメージか。

昨日「マーロウ=ボガートに異存はないだろう」と書いたけど、同じように「スペード=ボガート」も成り立ってしまうところがステロタイプというべきか。

『マルタの鷹』原作では「顔が全てVでできているような男」みたいな表現があったように記憶している。ボガートにはふさわしいかもしれない。

原作本はどこかの地層に埋まっていて掘り出せない。実家かもしれないし。

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 最近、小鷹信光さんが「改訳決定版」っていうのをハヤカワ文庫から出したけど、持っていたのは村上啓夫訳の創元社文庫の表紙だったと思う。

以前に着色された「マルタの鷹」を見たことがある。コンピュータで手間をかけてカラーにしたらしいが、もちろんモノクロの方がよかった。
 

この映画を撮るに当たって、これが初監督作品となるジョン・ヒューストンは「なるべく早口でセリフを言うように」と指示したそうだ。
英語はどっちみち聞き取れないが、自然と字幕も短くなるんだろう。

セリフに関して『お楽しみはこれからだ』では
 マルタの鷹を追う太った男(ガットマン)と探偵ボカート(スペード)のセリフ。
「あなたは口は固い方ですか」
「いや軽い方だ」
「結構。むっつり型は信用できん。しゃべるタイミングが狂います。しゃべるには訓練が必要ですから」
日本では高倉健みたいな寡黙さが重厚な味になるが、ハリウッドではしゃべってなんぼみたいなところもあるのかな。
 
ラストに近いボカートのセリフ
「俺は君を警察に渡す。いい子でいれば二十年で出られるだろう。俺は待ってるよ。もし絞首刑になったら、俺は君を思い出すよ」
「マルタの鷹」は「三つ数えろ」の3年前の映画だが、セリフばかりではなくボガートそのものも渋いが若い。
 
そして、「マルタの鷹」でもっとも好きなセリフ。ネタバレですけど。
偽物とわかった「マルタの鷹」を手に取った警官とボガートの会話
「重いな、これは何だ」
「夢のかたまりさ」
 
英語ができないので何とも言えないが、セリフは
The stuff that drems are made of”だそうだ。

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これを「夢が詰まった鳥さ」でもいいんだけどね…。
このセリフを昔、原作で探したけど見つからなかった。映画オリジナルのセリフだそうだ。
 
生まれたばかりの娘1号を抱いたときにこのセリフがふと浮かんだ。
「重いな、何だこれは」
「幸せのかたまりさ」

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世界中の人たちがなかよく平和にくらせますように…っていのったわ

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さらっとした雪が降って、気温が下がった朝。ちょこっとだけMTBで走った。
午後から若い友人が来て暇を潰してくれた。
 
「男は立って、女はしゃがんで、犬は片足あげてするもの、なーんだ」
 
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『大いなる眠り』のあと掘り出した『お楽しみはこれからだ』(和田誠 文藝春秋)

有名どころはほとんど覚えているほど読んだ。特に和田誠が記憶だけで書いた1巻は、和田誠というフィルターを通したことによって名セリフとして成り立った気がする。

「ゆうべどこにいたの?」
「そんなに昔のことは覚えてないね」
「今夜あってくれる?」
「そんな先のことはわからない」

これまでのボギーつながりで「カサブランカ」のセリフだ。

他にチャップリンの「殺人狂時代」では

「一人を殺せば犯罪者だが、百万人を殺せば英雄だ」

なんてシニカルなセリフもここで覚えた。そういえば今週のNHKBSでチャップリンの映画を3本放送する。「街の灯」「独裁者」「モダンタイムス」。いまさらだけど、いいねぇ。

その「独裁者」には「I dont wont to be an Emperor」で始まる有名な5分間の演説がある。チャップリンの初めてのトーキーだそうだが、その最初と最後の「Lookup,Hannah.Look up」という部分だけ英語で覚えた。( ̄^ ̄) もちろん他はムリだった。

 
最初に書いたクイズは『お楽しみはこれからだ』に載っていたもので、飲み会などで何回か使わせていただいた。
答えは「握手」 男がひざまずき、いすに座った女性の手を取って口づけをするという仕草ですね。

この『お楽しみはこれからだ』で一番使わせてもらったセリフがこれ。

「結婚するとき、私は女房を食べてしまいたいほどかわいいと思ったものです。今考えるとあのとき食べておけばよかった」

いろいろなバリエーションができて重宝しました。
夜な夜な食べるほどかわいがっている方はお使いいただけませんけどね。
 
『お楽しみはこれからだ』を読むきっかけというのが『お楽しみはこれもなのじゃ』(みなもと太郎 河出文庫)

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 朝日ソノラマで「マンガ少年」という月刊誌を出した際に連載されたもので、題字の脇に「wadamakotosan gomennasai」と入っている
いつの間にか文庫化されていたので買ったはずだが、例によって見つからない。

その連載第1回が「とーとつですが、アルジャーノンに花束をあげてください」という吾妻ひでお「やけくそ天使」のセリフだった。
『アルジャーノンに花束を』が、「まごころを君に」という邦題で映画化されていたこともそこで知った。当時好きだった女の子がTVの深夜映画で「まごころを君に」を見て「おもしろかった」と言っていた。もちろん「あの映画には原作があってね」とは言い出せなかった。
後日ひっそりと大名作『アルジャーノンに花束を』を読んだ。
 
『お楽しみはこれもなのじゃ』には入ってないが、漫画の名セリフというと『サイボーグ009』のアレである。

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死の商人ブラック・ゴーストとの戦いで敵を倒し、宇宙空間から地球に突入しようとする002009。もう燃料もなく燃え尽きようとするとき、002009にいう。

「ジョー! きみはどこにおちたい?」
そして地上ではその流れ星にいのる姉弟。
「世界に戦争がなくなりますように…世界中の人がなかよく平和にくらせますようにって…いのったわ」
 
この場面はブラッドベリの『万華鏡』という短編のラストへのオマージュとして有名らしい。当時そんなことは知らないし、感動も大きかった。
 
気になったので『万華鏡』について調べたらこんな内容だった。(いろいろなサイトからの孫引き)

突然宇宙船は破裂して乗組員がバラバラに放り出された。一人が地球に向かって落下をする。「何も意味のある人生を送れなかった自分でも、塵のひとつとなって大地を肥やすことができれば」と願いながら。そのとき地上ではその流れ星を見ながら「願い事をおっしゃい」と母親が子供の手を取りながら言った。「願い事を」
 
009を「パクリ」という人もいるけど、原作以上の立派な作品になっていると思う。
 
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『サイボーグ009』にはいくつかの最終回がある。火山島マグマ編でミュートスサイボーグとの戦いでも最終回を迎える。

ギリシャ神話の登場人物を擬人化したサイボーグ、「アポロ」と戦う009アポロは自らの能力を誇示する。

 
「ぼくのからだからは…太陽の表面温度のやく半分 摂氏三千度までの熱をだせるんだ! そして手のひらからは六千度の熱波…指先からは八千度の熱量をもつレーザー光線だ! それではおまえの能力は…? まさか加速装置だけというんじゃないだろうな」
009は答える。
「あ あとは 勇気だけだ!」
 
『ワンピース』のセリフもいいでしょうし、『スラム・ダンク』の「左手はそえるだけ」もいいでしょうけど、オヂサンは昔のマンガのほうが好きです。
 
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脳には妙なクセがある

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ダミアの「暗い日曜日」ではなく「暗い月曜日」である。世間一般の方と違い療養中で何をほざいているかということだが、今週の月曜は治療の日で憂鬱。

長時間病院にいるので本を持って行くのだが『光圀伝』は重いので、昨日客が「読んだ」と言った本がおもしろそうだったので本屋で見つけて買って見た。

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『脳には妙なクセがある』(池谷裕二 扶桑社)

目次を見てげんなりする。
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章が多い。350ページの本に26の章がありそれぞれ10くらいの小見出しがある。そうすると単純に1.5ページごとに内容が変わるという具合でこれでは深さは望めない。せいぜい新書版の内容だろうと読み始める。

やっぱり! 内容が広く薄い紹介本だった。


でも待ち時間つぶしにはいいか。


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         さて、上下どちらがより微笑んでいると思いますか?













これはほとんどの人が「上」を選ぶそうです。

上の絵は左側が微笑んでいて、下の絵は右側が微笑んでいるようにみえます。見ていると左側に目がいきませんか?これは「シュードネグレクト効果」という人種性別に関係のない性質だそうで、ヒトは「左側を重視する」のだそうです。
右脳の左視野を重視するからで、「魚の絵を描くと左向きに描く」ようです。ということは好きな相手の左側にいた方がラブラブになれる…ということはないそうです。

…てな具合の脳のトリビア本でした。

ただ、ちょっと引っかかるところもあったので、もう少し読み込んでみたいと思います。

血液検査で「内蔵の疲れ」が見えて治療は休みとなった。そのかわり水曜に骨の検査が入ってしまった。また1日病院である。o()o

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神を感じる脳回路と幽体離脱

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取り立てて何もない1日。卒業前の休みに入った娘2号と昼食作りをして、車庫の雪下ろしをする。午後、『光圀伝』読了。『出星前夜』に入る。合間に炭水化物と動物性タンパク質の調べ物。こんなことが面白いと感ずる日が来るとは思わなかった。
 
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昨日の続きの『脳には妙なクセがある』から「気になった部分」とその実験でございます。

気になった部分 1
てんかん患者の1.3%が発作中に神秘的な体験をする。それは側頭葉(こめかみよりも少し後部)を原因とする発作である。一般の人の側頭葉に磁気刺激を与えると、900人以上で実験し40%ほどの人が「何らかの知覚体験」をした。それは人によって異なるが「キリスト・マリア」「ムハンマド」「祖父の亡霊」などが多い。そのため「神を感じる脳回路」として研究が行われている。

気になった部分 2
催眠術は実際に生じる脳の現象で、全体の20%の人は催眠術に全くかからない、10%の人は催眠術にかかりやすい、70%の人は催眠術者の腕次第である。12歳以下であれば前頭葉が未発達で感受性が強いため80%がかかる。催眠中の精神状態は認知症に似ているため、「疑似認知症・人工認知症」として研究が行われている。

気になった部分 3
左側の側頭から頭頂部に電気刺激を与えると、自分以外の者が部屋にいる気配を感じる。右側の頭頂葉から後頭部寄りに電気刺激を与えると、被験者の意識は2メートルほど舞い上がり、天井付近から「ベッドに寝ている自分」が見える、いわば「幽体離脱」体験をする。「幽体離脱」体験のような「俯瞰」は健康な人の30%は一生に1~2回程度は経験することがある。
 
以上の3点ですけど、単なる「へぇ!」ではありますがいろいろ考えてみたくなりました。

ワタシは実は宗教が好きなんです。でもそれは「道徳律」としての宗教性で、「オカルト」「疑似科学」的な宗教・新興宗教はキライです。でもそれが科学として証明させることは大好き、という変なヤツなんです。この3つを使うとけっこうインチキ宗教やインチキ医療の解明ができそうです。

まず「気になった部分 1」だと、卑弥呼に代表される「シャーマニズム」がてんかん性の可能性があることはよく知られていますが、後天的に神秘性を体験できることの証明はおもしろいですね。もちろん「神」の存在を否定してはいません。

「気になった部分 2」で、人間の意識を無防備な状態にすること=認知症を人為的にできることが可能とわかります。ある物事を信じ込ませようとする際の手段として「催眠術」は効果的でしょうね。とくに「催眠術者の腕次第」という点がおもしろいです。短時間に他人を信じ込ませるテクニックは「催眠商法」なんてのもありますが、インチキ宗教・インチキ療法にはよくあることですし。例えは変ですが、川端康成は目をつぶって他人と応対することがあったそうです。なぜか、と聞かれると「目を開けると客が何も言えなくなってしまうから」という答えだったそうで、客は文豪という肩書きにあのぎょろりとした目の威圧感で一種の催眠状態になるらしいんですな。川端本人もわかっていたらしいです。催眠術の悪用を考えることより、認知症の研究という善の分野に活用されて欲しいですね。

「気になった部分 3」は「幽体離脱」です。「ざ・たっち」の「ゆ~たいりだつ~」と言うギャグは秀逸でしたけど、「幽体離脱」の科学的な証明はもっとおもしろいですね。臨死体験というのもこれで説明できそうです。


実験
さて、実験です。昨日やってみました。
なにを?「幽体離脱」です。できるのかって?!できるらしいんですねこれが。
材料は「ヘミシンク」音です。
「ヘミシンクとは左右耳から波長がわずかに異なる音を聞くと右脳と左脳が同調することである。ヘッドフォンから聞こえてくる音と瞑想の指示を使い、脳波を変更することで達成される。原理はバイノーラルビートという音響技術(うなりの技術)に基づいている。」(wikipediaより孫引き)
これにより、「幽体離脱」体験ができるそうです。(宇宙浮遊というのもあり)
しかし、「脳を音響的に混乱」させて「超常的な知覚を体験」させることですので脳の「セロトニン」に支障をきたすので危険という意見もあります。

というわけで「実験」です。実はYouTubeに「ヘミシンク」がありまして、それをやってみたというだけのことなんです。ヘ(__)☆\
この中には一時「ポケモン」で有名になった光の点滅「パカパカ」を映像で流しているのもありました。

では…実験開始!

結果!(早っ!) 効果なし。

理由 ワタシは右耳がほとんど聞こえないので「うねり」の意味がなかった。

結論 健康(精神)に害を及ぼす危険もあるので絶対オススメしません。ワタシは「そうならないことを承知」した上でやってみました。ただし、「瞑想」「睡眠」効果などとも書いてありますので、フツーの音なのかもしれません。ただ、そういう危険もあるかもしれないと注意して欲しいので敢えて書きました。
 
病気をきっかけにして「似非科学」について調べることが多くなりました。実際にいろいろとインチキ医療で使われていることを知り、「大事な問題なのに、こんなんでいいのかな~」とも思いますが、余計なお世話とも思うこのごろ…

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「助しゃんも覚しゃんも聞きなしゃい」とは違う『光圀伝』

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雪は降らなかったが道路がガリガリに凍っていた。
病院の1日。午前中に注射をして3時間空いて検査だったが雪がひどかったので病院の中で過ごした。売店で『長生きしたけりゃ肉は食べるな』という本があったので暇つぶしに購入。エクセルシオールでコーヒーを飲んで過ごした。
 
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『光圀伝』(沖方丁 角川書店)

もちろん水戸黄門漫遊記ではない。テレビのクイズ番組で出る「日本で初めてラーメンを食べたのはだれか?」の類の水戸光圀像が描かれている。

家康の孫、徳川御三家の水戸家の三男坊として生まれた光國(この頃はこの字。隠居して光圀)。次男が死に、長男を差し置いて三男の光國が跡継ぎの「世子」となる。「三男なのになぜ自分が世子なのか」光國は半生をかけてこの問題を解決しようとする。その答えは「義」であった。

水戸黄門の物まねというと「助しゃんも覚しゃんも聞きなしゃい」というのが定番だげど、ネタはもちろん東野英治郎である。我々の年代は黄門=東野英治郎で育ってるので、「七人の侍」では盗人役で5秒で死んでしまうというのがオドロキだった。その驚きにも似た「実は…」がこの本にもある。光圀は生涯で四十八人殺している。もちろんすでに戦国の世は去り太平の世となっている。水戸の君主として刑罰として処罰しなければならなかった「殺人」もあるがそうでない「遊びの殺人」もあるのだ。
光圀は10代の若い頃無頼で無宿人を斬り殺すなどの所行を行っていた。あの黄門さまが実は暴れん坊の人殺し、というわけだ。それを見とがめたのが宮本武蔵。そして武蔵や沢庵と会い次第に自分の人生の目標を考えていく。それが「文事で天下を取る」というもの。後に「大日本史」を編纂していく布石となる。

というわけで、読んでみて、まず「おもしろい」
読むのに時間がかかったけど、それは途中に違う本を読んでたから。間に違う本を読んでも『光圀伝』に返ればすぐまた読めるという安心感があった。
歴史小説の分類なんだけどライトノベルの軽さがあって読みやすい。ただ、会話がホントに軽いのでそこだけは我慢して欲しい。

『天地明察』から安井算哲がゲスト出演。保科正之は超大物なので『天地明察』と『光圀伝』の繋ぎ役としてもっと出して欲しかった。(  ̄っ ̄)

『光圀伝』は今回も「本屋大賞」なんかにノミネートされているけど大賞はないな。『天地明察』ほどのきらめきはない。沖方丁は東日本大震災を福島市で経験している。その経験から「明暦の大火」に拘らざるを得なかった、と言っている。その点は評価したい。しかし、大老保科正之のすばらしい対応と事後処理にもう少し筆を割いてもよかったんじゃないか。

そしてこれもまた読んでいて気になった点があったのでまた明日。(誰も期待してないって…┐(-。ー;)┌)

『光圀伝』、750ページで分厚いんだけど1900円と、なんとか2000円内で収めようとする姿勢がいいね!ヽ( ̄▽ ̄)ノ  もっとも、ワタシは図書館で借りたけど…<(_ _)>
 
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「波動」について

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昨日igutorioさんから「波動」のコメントがあったが、高校時代の二学期末テストの物理が8点だったのが「波動」という暗い記憶がある。o()o

その波動と違うのかもしれないが、ずいぶん前になるが「きれいな言葉でいい結晶ができる」っていう内容の新聞記事があった。「ありがとう」とか「うつくしい」という言葉をかけた水は凍らせるときれいな結晶になり、「ばかやろー」とか「しね」とかいう言葉だとぐじゃぐじゃな結晶になるというもの。小学校の道徳で使われている、と結ぶ。
そんなことあるのかねー。音の振動によるものだろう、と当時思っていた。そしたら病気関係で調べているとこういう本に載っていた。「波動」について最初に実験を始めた人である。

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『水は語る』(江本勝 講談社+α文庫) 
初版は2000年。現在は絶版
以下書名がないものはこの本からの引用。

「蒸留水に微弱な磁気をかけて特殊な共鳴磁場を与えた」水は「免疫力を向上させる」作用がある。(p23)とある。

新聞記事では「声をかける」だったが、この本ではこの水に「『ありがとう』もういっぽうには『ばかやろう』とワープロで打ち出した紙を貼り付けて、一晩放置したものを氷結させると、結晶の形に明らかな違いを見ることができたのです。」(p68)
なんと水は文字を読んで理解したのだ。

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それどころか「『アドルフ・ヒトラー』という名前」を打ち出して貼ると、「『ムカツク』『殺す』とよく似ている結晶」になった。(p84) 「マザー・テレサ」だときれいな結晶だったらしい。
水は写真が見えるだけでなく、人類の歴史も知っていたのだ。日本の政治家なんて入れたらどうなるのかな、菅直人とか。

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もちろん病気も治すことができる。

病人の「写真を使い波動を転写。そこから導かれた波動を測定すると聞いたこともない物質の名前が次から次へと出てきた。それはその日使われた薬品名だった」(『水は答えを知っている2』p180) 

病人の「氏名と生年月日をワープロで打ち出した名刺のような札からもその人の波動情報は得られる」(p79) 




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写真や氏名、生年月日でも有効らしい。
波動転写機を使い、水に自分の波動を転写すると「体にいい水」ができる。

このようなことができる波動転写機は77,000円である。


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 「波動」水に関してもう一冊『水の「真」力』という本も読んだが内容は同じだった。

現在小学校の道徳で水の結晶の授業は行われていない。もし行われているなら「有り難い」「有り得ない」の札で実験したい。どちらも同じ意味だが結晶は変わるのか。もともと「ありがとう」には感謝の意味はない。「有り難き幸せ」の略だから。そこまで水は知っているのだろうか。
また「控訴中の被告人」の写真を見せたら結晶の具合で犯罪か否かを判定してくれるだろうから裁判はいらなくなる。もっとも「ワタシの写真」で心の中を見透かされて、「重罪」の判決が出たら困るけど。

 ということですが、ワタシには全く信じられない。
 物理的な波動ではなく、こっちの意味の「波動」であるなら、ワタシは「波動」の治療はやらない。
 
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「伯夷・叔齊」は何を食ってたか?

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また雪。太郎の屋根にも次郎の屋根にも三郎だろうが四郎だろうがお構いなく雪が降っていたが昼から、昼から陽が差してきて暖かくなった。凍った路面が溶け始め、ザケてきたので外を走るのはやめて、ちょっとだけローラーをやった。

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昨日の『光圀伝』の続き。
というか個人的な気になったことから。

光圀は若いとき無頼であったが、あるとき『史記』の「伯夷・叔齊」を読んで人生が変わってきた。

その「伯夷・叔齊」だけど高校の漢文ではだいたいやるが、『光圀伝』から無断転載します。

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つまり狐竹国の三人の王子のうち、三男に国を継がせることになり、長男は国を出た。すると三男は「兄を差し置いて王になれない」と国を出た。しかたなく人々は残った次男に国を継がせた。
本当にあったことか分からんが、「伯夷」の「伯」は伯父の意で年上の方。「叔齊」の「叔」は叔父の意で年下の方。真ん中は載ってないけど「仲ナントカ」といったんだろう。これだけでもテキトーというか寓意だなとわかる。

そんでもって国を出た伯夷叔齊兄弟は周に向かう。周の文王は孔子のあこがれた周公なんだけどすでに死んでいて息子の武王の代になっていた。
武王は殷王朝の紂王を討とうとしていて、この兄弟は「親が死んですぐの親不孝だし、下克上だし」ってなことでいさめるのだな。

殷の紂王といやあ「酒池肉林」じゅるじゅるの悪の代表、なんで止める!と周囲が兄弟を殺そうとするとき出てきたのがかの「太公望」。「これは義の人なり」と兄弟を助ける。

兄弟はこのあと「西山」に住み、「周の汚れた扶持米は食わねえ」と「薇」を採って食べるがやがて餓死する。と言うお話。
「周の粟を食まず」という故事成語で有名ですな。水戸黄門の別荘「西山荘」の名前もここからきてるそうな。

…でなにが引っかかったかというと「薇」です。『光圀伝』ではこれを「わらび」と訳している。
そうだっけ? と、とりあえずネットで検索すると
 
あの首陽山に登って、その薇(ゼンマイ)を採って暮らしているWikipediaより孫引き)
私たちは、かの西山に隠棲してわらびを採って食し何とか生きているhttp://blog.livedoor.jp/jugaku_net/archives/50985115.htmlより孫引き)
 
ゼンマイとわらびの2種類が見つかった。確かにWordで「ゼンマイ」と打つと「薇」に変換される。じゃあ「わらび」はっていうと「蕨」なんだよね。じゃあどっち?ということになるんだけど、高校の頃これを「カラスノエンドウ」と習った記憶はないですか?

結構苦労して漢文の教科書を探してみました。
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2種類の漢文の教科書があったんですけど片方は「カラスノエンドウ」片方は「ノエンドウ」で、どちらも「エンドウ豆」じゃないですか。

  …で困ったが家に「諸橋大漢和」は無いし、Wikiでいいか…と調べたらこんなん出ました~
 
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ヤハズエンドウが植物学的局面では標準的に用いられる和名だが、カラスノエンドウ(烏野豌豆)という名が一般には定着している(「野豌豆」は中国での名称)。

花期は3 - 6月でエンドウに似た小型の紅紫色の花を付ける。豆果は熟すると黒くなって晴天の日に裂け、種子を激しく弾き飛ばす。若芽や若い豆果を食用にすることができるし、熟した豆も炒って食用にできる。

史記で伯夷・叔斉が山で餓死する前に食べていた「薇」(び)は、野豌豆の類ともいい、またワラビやゼンマイのことともいう。Wikipediaより孫引き)
 
つまりドーデモいいっちゅうことですな。
でもワラビ・ゼンマイは春先。カラスノエンドウは夏。季節が合わない。餓死するんだから他に食べ物がなかったということからするとやっぱり春なのかな。

肉は食わなかったんだろうか。「酒池肉林」の故事からわかるように肉食はありなんだけど。ちなみに仏教ではないから肉食OKです。釈迦が生まれる800年前の話ですし。太公望がいますから魚もいます。首陽山は長安にありますから中国北部。羊と豚はいます。中国で肉といえば豚肉で牛は農耕牛なのでほとんど食わなかったから。いずれにせよ山菜だけ食っていては餓死しますな。

そんで、次はこの続きの「天道は是か非か」に引っかかってしまい、先週末は司馬遷、中島敦、浅田次郎と調べ物をしていました。
こんなのに拘ってると過疎ブログがますます過疎化してきてまるっきりバカですが、悲しいサガというやつでして仕方がない。

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Google ARメガネ~プロイスラーの死去~『ビブリオ古書堂』の4巻

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今年一番の寒さの朝。洗濯用の水道が凍っていた。春なんて先の話。北の方は大雪らしい。そこまで降らないのが救い。
 
朝のテレビのニュースで Google ARメガネ Project Glass 発売!http://japanese.engadget.com/2012/04/04/google-ar-project-glass/ 
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ディスプレイのほかマイクとカメラを備え、音声入力に対応します。同時に公開されたコンセプト動画では、道案内や周辺情報の表示、メールなどの着信通知、メッセージの送受信や通話、視界に映るものをそのまま写真撮影やビデオ通話といった機能。


こんなのつけて運転したら事故るな、危なくないのか。なんて思っていても便利で使い始めると手放せなくなったりして。
使わねえだろうと思っていたタブレット端末が手放せない。ハードユーザーではないが、自分にとってのドラえもんボックスになってる。わからないこと、興味があることを数秒で調べられるんだからナマケモノには最適。動画はまだ手を出していないが、音楽プレーヤーとして使ってる。だったらスマホにすればいい、とはまだ思わない。画面が小さくて文字を読むのがツライ。老眼はイヤだね。

今朝の新聞で「プロイスラー」の死去が報ぜられていた。89歳だった。小学校の時、彼の愛読者だった。『大どろぼうホッツエンプロッツ』『小さい魔女』『小さい水の精』『小さいおばけ』…「ホッツエンプロッツシリーズ」は3巻あるが2巻まで読んだ。
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どちらの本も実家にあるので、画像はamazonの借り物。

『大どろぼうホッツエンプロッツ』は主役はカスパールとゼッペルである。カスパールはおばあさんのために「五月はものみな新たに」がオルゴールで鳴るコーヒー挽きを贈る。大どろぼうのホッツエンプロッツはそのコーヒー挽きを盗み、カスパールとゼッペルが追いかけるが逆に捕まってしまう。魅力的な脇役の魔法使いストロベリウス・ツワッケルマン宅にあずけられたカスパールはツワッケルマンのために2樽のジャガイモをむき、残されたゼッペルはホッツエンプロッツの十七本の短刀のために砥石を回す。

『小さい魔女』は立派な魔法使いになるために人助けをする。焼き栗売りを助けたり、編み物をしたり。「ワルプギウスの夜」がやってきて、小さい魔女は一人前の魔女になるための試験を受ける。

…読んだことがある人はきっと思い出すと思う。今は多読・乱読だけど、1冊の本を繰り返し繰り返し読む方がいい。いつまでもそれに耐えうる本を探しているのかもしれない。
謹んでご冥福をお祈りします。

今日は病院の日。娘2号が買い物のためについてきた。帰りに家電屋と本屋で買い物。
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『ビブリオ古書堂』の4巻が出ていて悩んだがどうせ娘も読むし、と言い訳をして購入。

指紋が気になってNexus7の保護カバーも購入。ブルーライトカット加工だそうだ。
知らぬ間に「ブルーライト横浜」を口ずさんでしまった。もはや年寄りの証拠 o()o

さて、と思ったら娘2号に『ビブリア~』を強奪された。積ん読本が減って良かったかもしれない。
 

 
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「天道は是か非か」

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昨夜からの積雪は30cmくらい。
「まげでらんに」は南国いわき合宿。今頃汗だくでむ~む~走ってるんだろうな、うらやましす。
こちら雪国喜多方では恒例のラーメン祭り、ということだが、この積雪、どう影響するんだろう。除雪は心配ないけど、駐車場からかなり歩かなくてはならない。午後になって晴れ間が出てきたけど、並んでラーメンを食う気力はない。大人しく「サハラ砂漠を横断せよ」を見ながら疲れない程度にローラー。ダーク・ピットシリーズ読みたいけどほとんど絶版らしい。また古本探しかなあ。
 
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さて『光圀伝』関係の最終回です。


今回は自信作です。
どんな自信かって?! 

99%の人が読み通せないという自信があります。ヘ(__)☆\ 

いわば忍耐力テストみたいなモンですな。
<(_ _)>
 

では始まり始まり!「天道は是か非か」
古代中国では、天命を持った者が君主になると考えられていた。従ってその君主の時に天変地異が起こることは、君主が最早天命を持っていないことを意味していた。このとき天の命をあらためる(革める)ことが則ち「革命」である。…というわけだが、阪神・淡路大震災の時は「村山富市首相、東日本大震災の時は菅直人首相。どちらも自民党じゃあないので、自民党政権の時は東海大地震や富士山大噴火はおきないだろう、なんてジョークもあるけどワタシはノンポリだし。このあいだ「水の波動」の際に「菅直人」の写真を貼ったらって書いたのはそういうわけだ。

『史記』には帝王の伝記「本紀」とその他の人々の「列伝」に別れている。「伯夷・叔斉」はその「列伝」の最初に載っている。司馬遷にとってそれだけ意味のある伝記なのだ。

「伯夷・叔斉」は「義」に拠ることで死を迎えた。それについての司馬遷の論考がすぐ後の「天道は是か非か」である。
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何とワタシの高校時代の漢文の教科書だ!黄ばみが年代を感じさせるぜ。

詳しく書いてもつまらんだろうから(この話自体読んでも興味ない人ばっかりだろうけど)簡単に意訳する。

天はひいきせず、善人の味方だ。伯夷叔斉は善人なのになぜ死んだのか。孔子の最も愛した弟子の顔回はビンボーで若死にした。なのに、盗人で人殺しで人肉を刺身にして食うような悪人のトーセキは金持ちで長生きした。最近はめちゃくちゃなことを言っても富み栄える者がいる一方、仕える場所を選んでそこで適切な発言をしても不幸せな目に遭う者が多い。こんなことがあるなら天道が本当にあるのかわからない。

司馬遷は今でこそビッグネームだが生前は単なる歴史の書記である。当時の史家とはその王朝の前の王朝の歴史を書くことになっていた。つまり今の歴史を書くと政治家が自分をよく書いて欲しくて不正をするというわけで、終わった王朝を正しく判断するようにというわけだ。そのため歴史家が次の王朝の歴史家に残す資料は絶対に現在の政治家には明かさないという決まりがあった。司馬遷は前の王朝の歴史を書きながら現在の自分の意志を綴っている。それが単なる歴史と、司馬遷の『史記』の違いである。だが歴史書は本来感情的になってはいけない。そのため、『史記』は文学として高い位置づけがされている。

ではなぜ「伯夷・叔斉・天道は是か非か」を司馬遷は重要視したか。結論は「義憤」である。
って、先週はここから中島敦の『李陵』を引っ張り出し読み始めたわけでして、なでら男さんも言ってたけど、やっぱおもしろいね。現在の小説にはない香り。

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『李陵』の内容は、
北方の外敵打破のために李陵という将軍が派遣された。大多数の将軍は負けてすぐ帰ってきたのに対し、李陵は少数で残り全滅し李陵自身も捕虜となった。宮中では武人の恥として李陵を非難する者が多かったが、司馬遷は戦闘に参加しなかった者が非難すべきではない、と李陵を擁護した。これではすぐ帰ってきた将軍たちの面子丸つぶれになるので、位の低い司馬遷はあっさりと罪人となり宮刑に処せられた。

中島敦の『李陵』の主人公は李陵一人ではなく司馬遷も含まなければならない。というより司馬遷の方が強烈な印象で描かれている。ではなぜ『李陵』という題名かというと、中島敦が早死にし題名をつけてなかったので、深田久弥がつけたのが『李陵』というテキトー感がある。

『李陵』を読んでて「宮刑」の説明が
「宮刑とは勿論、男を男でなくする奇怪な刑罰である」と書かれている。
あれ?もっと詳しく書いてなかったっけ?と思ったら浅田次郎の『蒼穹の昴』にあったことを思いだし、掘り始めたが見つからず断念。横山光輝の『史記』というマンガにあったっけ、と思い掘り始めてこれも断念。1日近く徒労で過ごす。そしたらネットにあって、最近はこっちの方が早い、と思うのだがどうしても原典(参考文献)に当たらないと気持ちが悪い。学生時代教授にさんざ怒られたのでクセが抜けない。『蒼穹の昴』だって「孫引き」なんだけど、巻末に参考文献が載ってるからたどれる。ネットはいつのまにか削除されたり書き換えられたりするのでこれだけを根拠にはできない。(もちろんちゃんと参考文献明記の記事もありますが)ワタシのブログで本のデジカメ画像を載せているのも同様でちゃんとこの本に実際にあたっていますよというささやかな抵抗なんです。

なんの話だっけ…そうそう「宮刑」。ヨーするに根本を縛ってちょん切って穴には白蝋を詰めて3日水を飲ませずに置いとくとできる、コワーい刑罰。ちなみに女性の「纏足(てんそく)」もすごい。『ワイルド・スワン』(集英社)に詳しく載ってます。これは前の会社に置いてきたので無いのはわかっています。興味のある方はネットで検索してください。この本をネタにしています。

つまり、正論を述べて尊厳を傷つけられる刑を受けた司馬遷は、「天道は是か非か」によって自分の「義憤」をわかって欲しかったんだな。中島敦はその点について『弟子』でも孔子の弟子の子路の口を借りて述べている。

子路は「邪が栄えて正が虐げられる」ことに納得できない。「天とは何だ」「天は何を見ているのだ」
そして子路自身も虐殺され、屍体は塩辛にされて孔子に送りつけられた。孔子はそれ以来塩漬けを口にしなくなった。

『李陵』を読むはずだったが、ついつい『弟子』も読んでしまった。中島敦というと『山月記』が有名なんだけど中島敦が最後に「完成」させた『弟子』が一番おもしろい。それに比べて『李陵』は決定稿ではないせいか冗長な部分が多い気がする。

『光圀伝』に戻るけど、「天道は是か非か」について『光圀伝』ではあまり深くは述べていない。だけど後半歴史家としての光圀を支える思想の支柱になったのは間違いない。たとえば楠木正成の発掘である。「義」のために憤死した田舎武士に光圀は愛情を注ぐのだ。だけど考えてみりゃ、家康がせっかく作った徳川幕府を孫の光圀が「天皇が本筋だから政権を返そう」とするのは家康くん浮かばれないね。ま、それが「伯夷・叔斉」の「義」なんだろうけどね。

「天道は是か非か」をテキトーに訳していたら、関東に住み、東北は全て汚染された、福島県は人が住めない、避難しろと言い、本の印税3000マン円、しまいにゃおもちゃの放射能測定機付きの本まで出しておいて、喉元過ぎると「20105月以降、避難しろと言っていない」と言い出した学者サンのことを思い出した。そして、福島県に残り、安全レベルだと証明されても「毒を売る」とさんざ非難され、それでも安全を目指して作物を作っている生産者のことも。

さっき「天道は是か非か」を載せたけど、その後半部を再度載せます。
最近はめちゃくちゃなことを言っても富み栄える者がいる一方、仕える場所を選んでそこで適切な発言をしても不幸せな目に遭う者が多い。こんなことがあるなら天道が本当にあるのかわからない。

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『長生きしたけりゃ肉は食べるな』~前篇

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「まげでらんに」南国ワイハーIwaki合宿2日目。朝の5時からさっそく始動して、走り回っているようである。こっちは昨夜からの雪で朝から雪かきをしてるのに…。今「走り終えた!」とYosheeさんからLineあり。これから楽しくゴージャスなランチのようです。南国ワイハーIwakiなので「海鮮丼」なんでしょうか。ワタシとしては、午後の体力も考えて肉を一杯食って欲しいと思います。カロリーたっぷりの分厚いソースカツ丼をサイドメニューにどうぞ。
 
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『長生きしたけりゃ肉は食べるな』(若杉友子 幻冬舎)

先週、長時間の病院本として購入。新聞広告がトンデモっぽかったが、本屋ではこの作者の他の本が数種類平積みで驚いた。今受けてる人なんだ!

読み終えるのには2時間もかからないと思ったが、何カ所も考えさせられたので1週間近く読んでいた。その点では当初の目的を果たした。そのため『出星前夜』が全く進まなかったのは残念。

のっけから面白い。「肉は、血液を酸化させ」(p16)
血液が酸性アルカリ性になる、なんて恒常性があるからありえない。でも、「根拠をあげろ」と言われると困る。「昨日言っていたことと違うんじゃないか」と言われるけど、これ『美味しんぼ』の孫引きなので面目ない。でも山岡さんが富井副部長に言ってたゾ。でも科学が間違っているんだろう。反論するにはワタシは知識がないし文献もないため経験でしか言えないからな。さて、どんなすばらしいことが書いてあるか、何せベストセラーのようだし。

まず「ごはんを食べると、思い通りの人生になる」(p52)という章から引用します。

「男性はお米を食べるといい男になれるけど、パンを食べるとおそまつな人間になってしまいます。女性にもてなくなり、恋愛も結婚も縁遠くなって、さびしい人生になるのです」(p54)

ホントーですか? やっぱりアジアの米食民族は優れてるんですね。小麦粉食文化の人たちは最早滅亡するしかないようです。昔エスキモーと呼ばれたイヌイットの人たちやらアフリカ系の人たちはおそらく一生米は食わんと思いますので、早く教えないと絶滅してしまいますね。

「ごはんをたくさん食べていた頃の日本人は、元気もあり、ガッツもありました。ガンや心臓病、糖尿病などの生活習慣病にかかる人などほとんどいなかった。」(p58)

まずいですよ!いままさに「糖質制限ダイエット」に踏み込もうとしているヒルクラキングに教えなきゃ

それにしてもどうなってるんですか?江部先生!糖質制限なんてしてる場合じゃないですよ! 糖尿病を予防するはずが糖尿病になっちゃいますよ! でも、米を大量に食べさせられるお相撲さんも糖尿病にならないらしいから安心ですね。

昔は米を多く食っていたので、ガンにならなかったんですね。でも、『華岡青州の妻』(有吉佐和子)は乳ガンの手術のお話ですよね、1760年代にもガンは多かったはずなんですけど、これはどうしたらいいでしょうね…たかが小説ですから、見なかったことにしましょう。

次は必見です。
「パン食をやめてごはん食にしたら10キロやせた」(p63) 

おおすごい!ダイエット効果抜群です。ぜひ読みましょう!

若い男性が「試しにパン食をすっかり止めて、ごはんを主食にみそ汁と野菜の煮物を食べ、肉や卵、生野菜、甘い物は一切口にしなかったとのこと。まさに一汁一菜の昔ながらの食事で、わずか1ヶ月で10キロもやせたというのです」(p64)

そうですね!やっぱり健康になったんですね。ワタシもこのような食事を中学時代やっていました。中三の身体測定で身長が176cmで体重が55kgでした。ボクシングの「バンタム級」で「あしたのジョー」と同じ階級。減量に苦しむジョーに「なんでこの程度で減量するの?ふつうじゃん」と疑問に思った覚えがあります。でも、漫画雑誌の裏表紙の「ブルワーカー」の広告がまぶしかったです。悲しい思い出です。

ワタシの家は田舎のうえにビンボーだったので、コメは食い放題でしたが、魚は身欠きニシンと川魚、鶏を飼っていたので卵は食べられましたが鶏肉は年に数回。ウサギ・山鳥も年に数回。トンカツは大晦日だけ。コロッケはお盆と結婚式の折り詰めくらい、まさに「ごはんを主食にみそ汁と野菜の煮物」だけ。太れるわけがありません…書いていて、よけい悲しくなってきました。みんなビンボーが悪いんです。あ、違った。そのおかげでスマートでした、ですね。

話を戻します。米食にした若い男性はやせてよかったですね。
「ごはんを主食にみそ汁と野菜の煮物」だけですから経済的ですし。この本の読者はみんな実行するでしょう。ロングブレスよりやせます。絶対! 

というわけで、とても素敵な本なので、もうちょっと紹介しようと思います。
 
雪は大荒れで、高速の磐越道磐梯熱海~猪苗代が通行止めだそうだ。実際、吹雪だし。

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ホント?『長生きしたけりゃ肉は食べるな』~中編

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昨日は吹雪だったらしい。高速道路は止まり、猪苗代の国道県道は地吹雪で視界なし。ワタシなんぞが南国ワイハーいわき合宿にいってたら遭難したでしょうね。でも、一昨日からLineとやらで電脳強制参加しましたが生殺し状態で欲求不満。雰囲気だけより生参加がいいわん。

今日はいやな月曜日。1日病院です。今日は確実に治療をしてくるので、また、プチ入院になりかねませんから早めにアップしましょう。
リアルききょうや日記は以上です。

以下はワタシのリハビリです。最近は病院と雪かき以外完全に引きこもりなので。まあ、お暇な方はお読み下さい。
 
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『長生きしたけりゃ肉は食べるな』(若杉友子 幻冬舎)

昨日の前篇に続いて今日は中編です。
今回は「病気を治す!」っていうことに重点を置いて読んでいきましょう。
なにせワタシは現在病気療養の身ですので、参考にしなければなりません。

…えっと「電子レンジは身体を毒する」つまり「マイクロ波が食べ物を分子レベルで破壊」(p39)し「ビタミンなどの栄養分が変化したり、場合によっては、発ガン性物質に変わってしまう」(p40)のです。

これは恐いですね。ワタシもお昼に残り物のおかずなんかをよく温めなおしていますが、その30秒の間に発ガン性物質ができるんですよ!でもその10秒後には胃に入って溶けてるんですが、間に合いませんかね。そういえば昔「おこげ」を食うとガンになるって話があったようですが、どうなったんでしょう。カンケーないか。

「塩分が不足して低体温になり、抵抗力もなくなって身体がだるく、体力も気力も減退してうつ状態になる」(p104)
「低体温の人が減塩をすると、かえって体調が悪くなり危険です」(p105)

そうですね。減塩をしてはいけません。
ワタシの田舎では味噌は腐らないように(もちろん保存料無添加、って保存料なんて売ってねえし)塩を山ほど入れて作ります。3年目になると真っ黒で食えなくなるので、早いうちに食います。冬場の野菜として漬け物をつけますが、これも塩を多く使います。みんな元気ですけどみんな高血圧の薬を飲んでいます。心臓病も多いんですが、若杉おばあちゃんのように元気になるためにはそんなことは気にしてはいられませんよね。

長野県では30年前から「県民減塩運動」をやっています。現在日本で一番長寿の県なんですが、減塩を止めないと長寿では無くなるんでしょうね。

あらら低体温の人は減塩をしちゃいけないらしいですよ。平熱35.1度という自転車乗りの方を知っていますが、その方は心拍数も異常に速いらしいので減塩なんかしたら危ないから教えてあげなけりゃ。

「曲がった腰が伸びたおばあちゃん」の章です。
90歳近いそのおばあちゃんは腰が直角に近いほど曲がっています」(p138)このおばあちゃんに、
「パンよりもごはんにしないといけんよ。それから、ナス科のジャガイモやトマト、ピーマンも食べたらダメだよ。トマトを食いたいときは、塩をたっぷりつけて食べな。干物や卵、牛乳」は「食べたらいかんよ。その代わり、お豆さんやダイコンやニンジン、ゴボウなんかを」食べなさい。(P139)とアドバイスしました。
そうしたらどうでしょう、「曲がった腰が伸びる」(p140)ことに!

オドロキです!実家の母ちゃんや実家近くのばあちゃんたちはみんな腰が曲がってるから教えなきゃ。でも、実家の方ではパンなんて食わないし…だってお金かかるでしょ、買ったら。それに比べてごはんはタダだし。ナス科のジャガイモやトマト、ピーマンかあ…ピーマンは作ってないなあ。トマトは食わなかったら夏に何を食うの?っていう産地の地域だからムリだなあ。
ジャガイモ?!山ほど食ってるよ!ナス?!ありゃりゃ。山形県の伝統料理「だし」にはナス、キュウリは欠かせないし、うちの田舎でも鷹の爪入りの「だし」をつくるんですよね。まさか伝統食が「腰を曲げる原因」だなんて、更にオドロキです。
背筋が伸びた都会の老人に比べて田舎の老人はきつい農作業で背が曲がると思ってました。まさか都会の老人の方が「お豆さんやダイコンやニンジン、ゴボウなんかを」田舎よりよく食べているとは目から鱗が落ちる思いです。

でも、静岡から農業をしたくて突然来た人が「これまで食べていた野菜を食べるな」、と言ってすぐに聞き入れてくれるんですから、若杉おばあちゃんが越してきた京都の綾部という山間部の村は度量がありますね。さすがです。うちの実家でこんなことを言おうものなら「都会から来た人が、なに語ってんだべ」と笑いものにしそうで恥ずかしいです。


とても勉強になるこの本は当然「ガン」も治してくれます。

「肉好き夫がガンを宣告された」(P76)というのです。「夫はもともと肉が大好きな美食家」だったのですが、作者が自給自足の生活を目指して別居すると好きなものを食べるようになり、「小細胞肺ガン」で「余命2ヶ月」になってしまいました。(P77)

そこで「玄米のごはん、みそ汁の一汁一菜」「黒焼き玄米茶」「マコモ茶」「梅干しの黒焼き」の食事にしました。(p79)

すると「半月」「ガン細胞が縮んで」(p80)6年目、とうとう夫のガンは消えて無くなりました」(p81) 

すごいです!完治です。しかしその後、夫は「焼き肉やステーキを食べ」「自由気ままな生活に逆戻りしました。案の定、数ヶ月後にガンの再発です。肝臓ガンでした」(p82)

しかし不思議なことに、夫は「今度は病院で治療する」(p82)と食事療法を拒否し抗ガン剤治療を行います。
その結果「身体はだんだん悪くなる一方でした。そのとき夫はこういいました。『医者に任せたら、こんなに悪くなるやなんて!』」そして亡くなったそうです。(p84)

とても残念です。どうして妻を信じてあげなかったんでしょう。ガンを完治させてくれたのに。

これが逆なら話はわかります。「小細胞肺ガン」は進行は速いですが、抗ガン剤や放射線の治療がよく効くガンで病院での治療が可能です。それなのに、あえて妻を信じるということは並大抵の信頼ではありません。

そして再発した「肝臓ガン」は手術もできない、抗ガン剤も効きにくいガンで、これこそ食事療法に頼るしかないとおもうのですが…。この話自体が逆ならすごく納得します。でも、まさか…ウソ…いやいや、文献は信じましょう。「幻冬舎」って大手出版社なんですからまさか売るためにウソを…いやいやそんなことはありません。
でも、この作者の若杉ばあちゃんは30年も「マクロビオティック」の研究をしてきたそうなので、夫はちゃんと信じてあげて欲しかったですね。

「マクロビオティック」っていうと以前に『はなちゃんのみそ汁』という記事でも書きましたね。

手術により乳ガンが完治した千恵はせっかく「マクロビオティック」に巡り会えたのに、今度は肝臓ガンに……アレ?! 千恵の再発も肝臓ガンでしたか?!

代替療法の凄腕医ブラックジャック先生から、馬刺しなども食べるように指導されたのに千恵は「肉を食わない」ことを選び、ブラックジャック先生から治療拒否までされてもこだわり続けた「マクロビオティック」なのに……

「マクロビオティック」をやっていた若杉ばあちゃんの夫も千恵も肝臓ガンになってしまって、

「マクロビオティックやってても、ガンになるんですか?!
それとも
「マクロビオティックをやると、肝臓ガンになるんですか?!

後編に続きます。

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「若杉ばあちゃん=マクロビオティック」はワタシには不可解でした

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226の日がやってきたけど雪は降らなかった。車庫の雪下ろしをさぼっているので昨日の地震で倒れなくて良かった。昨日は病院で治療してそのまままたプチ入院。点滴を4時間やって帰宅は夜。そんでもって朝から気分が悪ソッコー寝たきりになる。昼過ぎやっと起きられるようになったが、もしかすると来週入院だ。せっかく体力着いてきたのにな、社会復帰なんてはるか遠い先。
 
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『長生きしたけりゃ肉を食うな』(若杉友子 幻冬舎)
後編です。( )に引用元がない場合はすべて『長生きしたけりゃ肉を食うな』からの引用です。

昨日は「マクロビオティックをやっていても、ガンになるんですか?!」ってたんですが、長生きするためには「肉を食べなきゃいい」ってだけじゃなくて、そのほかの食べ物にも気をつけないといけませんね。
「一般的に、アルカリ性の食べ物は血を汚さず、酸性の食べ物は血を汚してしまう」(p182)のだそうです。しかも「アルカリ性と酸性の食べ物にも陰性と陽性のものがあり、アルカリ性でも極陰性のものを食べると身体を冷やしてしまいます。また、アルカリ性で極陰性の食べ物は、血を薄くして免疫力や自然治癒力を低下させてしまいます」(p182)「一方、酸性で極陰性の食べ物は、血を汚し、血液の流れを悪くします。そのため、がん、動脈硬化、高血圧になったり、心筋梗塞、脳内出血を起こしやすくなり」「自然治癒力が低下」するのだそうです。(p186)
ではその一覧表を見てみましょう。
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納豆は載ってませんね。味噌はいいのに納豆はダメ。「人工の納豆菌を使って大量生産しているから」(p205) だそうですけど、若杉ばあちゃんは「麹屋」の存在を知らないんでしょうか。藁苞納豆は確かに藁に付着している納豆菌で作りますが、その納豆菌を増やして使っているだけで「人工」と言うんなら、味噌もお酒も自家製の麹菌で作っているところなどあるんでしょうか。不思議です。

そのうえ大豆と豆腐は極陰性でダメなんですね。「マクロビオティック」の区別は難しいです。

あら、わたしが毎日採っているリンゴがありませんね。本の中を探してみましょう。
ありました。リンゴは陽性ですね。

「ただし、品種改良されて糖度が高くて甘く、巨大化したリンゴは例外です。日本の国光や紅玉が最高です」(181)

あれれ? ワタシは以前リンゴの歴史と品種について調べたことがあるんですが、日本古来(平安~江戸)のいわゆる「和リンゴ」は直径34cmで食べなかったハズですね。国光も紅玉も明治時代にアメリカから苗木で品種改良されたものです。これってダメなんじゃないんですか?
 
う~ん、ワタシの乏しい体験や知識ではよくわからないことばかりになりました。仕方がないので文献で確認してみましょう。

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まず『がんに効く生活』です。

世界中でベストセラーになり、日本の代替医療のセンセイのアンチョコでもあります。

では、身体にいい食品の画像を(『がんに効く生活』p210)で見てみましょう。

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ありゃ~、これはダメですね!
大豆や豆腐、トマトにナス、おまけに魚に肉乳製品まで!
極陰性のオンパレードですね。かえって病気になってしまいますよね。作者はシュレベール?! アメリカ人ですね!ハンバーガーばっかり食ってるんでしょうね。「パンは万病のもと」(p218)って知らないんでしょうね。やっぱり米を食う日本人じゃないとダメですね。

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では『乳がんと牛乳』で見てみましょう。
肉と乳製品は採らない、という説なので今度は大丈夫でしょう。

「大豆はこの世に存在する食品の中で、もっとも栄養価の高い食品のひとつである」「豆腐は、小さな子どもからお年寄りまで、すべての人にとって優れた食品である。豆腐は、身体によい物をたっぷり含んでいるのに、わるいものはほとんど含んでいない」(『乳がんと牛乳』p175)

また大豆と豆腐かい! これは極陰性なので採ってはいけないんだよ!

「野菜と果物はがんの発生を防ぐ物質やその前駆物質を豊富に含んでいる」(『乳がんと牛乳』p182) 

つぎは野菜に果物?! 身体が冷えるから果物はダメなのに。
なにいってんだろうね。

「ニンニクはがんの成長や動脈硬化を押さえる強力な抗酸化物質も高濃度に含んでいる」(『乳がんと牛乳』p183) 

こんどはニンニクかい! これは酸性食品だからダメなの!

この本もダメですね。作者はジェイン・プラント。今度はイギリス人ですか。味オンチが多いからねイギリス人は。人間はごはんさえ食べてればいいの! 日の丸弁当の日本人じゃないとダメですね。

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えっと、次は…済陽高穂センセイです。
やっと日本人です。いま本屋でも病気の棚に平積みで売れてる人です。期待できそうですね。

どれどれ…『今あるがんに勝つジュース』だって。ジュースは酸性極陰だよ。
しかも「ジュースにおすすめの食材」(『今あるがんに勝つジュース』p21)だって?!
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なんだいこれは!レモンにトマト、酸性で極陰性のハチミツにヨーグルト!

こんなの食べてると「前立腺肥大や心臓肥大」「うつや偏頭痛」(p186)「更年期障害」「インポテンツ」(p185)になっちゃうことを知らないのかね。




「とらないほうがいいもの」(『今あるがんに勝つジュース』p27)
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塩分をかぎりなく0に近づける

「塩分が不足して低体温になり、抵抗力もなくなって身体がだるく、体力も気力も減退してうつ状態になる」(p104)
「低体温の人が減塩をすると、かえって体調が悪くなり危険です」(p105)
っていうのが分かんないんだろうね。

「がん抑制効果の高い食品を『デザイナーフーズ・ピラミッド』にまとめ」(『今あるがんに勝つジュース』p158)
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一番いいのがニンニク?!
酸性食品だからダメなのに。

大豆にレモン、ナスにトマト…身体を冷やすものばっかりだ。

これはアメリカの研究かい。もうアメリカはダメだね。

この済陽センセイは「ゲルソン療法」か。ドイツの医学博士だね。
アメリカの医療機関じゃ違法らしいじゃないか。ダメダメだね。米と味噌さえあればいいのさ。葦原瑞穂の国って言うだろう。大和魂がない日本人じゃないとダメですね。

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『粗食生活のすすめ』(幕内秀夫) 「粗食」いいねえ。

「まずはごはんを食べることだ」(『粗食生活のすすめ』p95)

「日本の保存食は、どれも多くの塩分を含んでいる」(『粗食生活のすすめ』p104)
そうだよ! まずはごはん、多くの塩。それがいいんだね。


あれれ、こんなことも書いてある。

「マクロビオティックの普及団体の合宿に参加したことがある」「そこで見た参加者たちの様子は、かなり異様なものだった」「肌はややドス黒くなり、ガリガリにやせ細っている」(『粗食生活のすすめ』p47)
それどころか「逆に、マクロビオティックの実践が『まだ足りない』と考え、『もっとしっかりやらねば』と自分を責める人が多い」(『粗食生活のすすめ』p48)

なんじゃあ、こりゃ「マクロビオティック」ってまるで宗教みたいだね。そういえば「マクロビオティック」では一物全体とか身土不二なんていうし…お経みたいだ。まだまだ勉強しなけりゃ。

ずっと見てきたけど似たような主張でもずいぶん違うんだね。

豆腐や納豆がダメで味噌は良いとか、難しいな。ますます分かんなくなってきた。

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仕方がない『代替医療のトリック』(S・シン 新潮社)で調べてみよう。

このs・シンは名作『フェルマーの最終定理』(新潮文庫)というノンフィクション作家である。数式は100%わからなかったけど、いい本だ。科学的だし、判定してもらおう。

この『代替医療のトリック』には後半80ページにわたって、それこそアロマテラピーからカイロプラティック、「指圧の心、母ごころ」の浪越徳治郎さんまで100以上の代替医療について載っている。

食事療法だけでもアマ排出ダイエット、ゲルソン療法、デドックス…あれ、「マクロビオティック」がない?! 「マクロビオティック」は世界では認知されていないの?日本の土俗信仰なの?じゃあ、載っていないのも当然。

こんなことが書いてありますね。
「代替医療の中には、患者を栄養不良に陥らせるものがある」「がん患者に対し、ひどく制限された食事を与えれば、早すぎる死を招いたり」「厳しい制約を守ることができない患者に対し、罪の意識を抱かせる」(『代替医療のトリック』p383)
載ってはいないけど「マクロビオティック」に当てはまりそうだな、いや、どっかで見たような…

『はなちゃんのみそ汁』で末期ガンで苦しいのにモルヒネを飲んだフリして隠したりしてましたね。そんなにまでして守らなくちゃいけなかったんでしょうか。あ、まさか……若杉ばあちゃんの夫はまさか死にたくないので「マクロビオティック」をやらなかった……まさかね…
 
結局「若杉ばあちゃん=マクロビオティック」はワタシには不可解でした。
日本大好きそのほかはダメの「尊皇攘夷」のような、科学的裏付けのない「大和魂一点突破主義」でしかない気がします。
テキトーにいいとこ取りの食事療法とかエセベジタリアンが私には合ってますね。
 
若杉ばあちゃんのご健康とご長寿をお祈りいたします。
 
 
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新聞広告本のつれづれ

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今日は朝から頭痛で寝てた。明日くらいまではだいたい寝たきりになるので仕方がない。昨日一昨日の『長生きしたけりゃ肉を食うな』は、実は日曜日に書いておいたのだが、一度に載せると字数オーバーになるから分載しただけである。治療した週の前半はなにもできない。

 新聞だけは読んでいたのでこんな広告も見つけた。
50歳からは炭水化物をやめなさい』(藤田紘一郎 大和書房)

イメージ 1  流行の糖質制限ダイエットのようだ。こちらはアンチエイジング=老化防止の観点から糖質制限を推奨している模様。
若杉ばあちゃんの「マクロビオティック」は極端な例だが最近「肉や乳製品NO!」という健康法が見受けられる。この『50歳からは炭水化物をやめなさい』のように「週に2日は肉を食べなさい」という健康法は「タンパク質を摂取することで若いからだが保てる」というもの。森光子さんや黒柳徹子さんは肉が大好きで毎日食べるとか、陸上のマスターズ世界記録を持っているおばあちゃんはステーキを毎日食べる、とかは極端かもしれないが実例はある。
老齢になるにつれ小食になり、野菜だけからタンパク質をとるのには限界があるから、それなら効率よく動物性タンパク質をとった方が理にかなっている。

 
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今朝の新聞記事で「完全菜食主義者にしてウルトラマラソンランナーの生ける伝説」という広告を見つけた。
 100マイルって150kmくらい?を走る驚異のスタミナは完全菜食から生まれたってところだろうか。

 わが「まげでらんに」のウルトラ三味ニスト(最近はエレキ三味だそうだが)Pon隊長はご存じだろうけど、面白そうでもある。もっともワタシ自身は20mも走れないけど。

 ベジタリアンに関して「エセベジタリアンのこと」という記事を8月に書いた。
 菜食主義者には、肉魚・卵はダメで乳製品・ハチミツはOKという「ラクト・オポ・ベジタリアン」、肉魚はダメで卵・乳製品・ハチミツはOKという「ラクト・ベジタリアン」や、肉魚・卵・乳製品・ハチミツがダメという「ビーガン」というベジタリアンがいるという。
 このスコット・ジュレクというランナーは「ビーガン」なんだろうね。興味あるところです。ワタシ自身はこの記事を書いてから少しは変化してきていて、魚・卵は食う、牛乳は寒いので今は飲んでない、乳製品は普通程度、ハチミツはメープルシロップに換えてます。肉は家人が食わないのでカレーで鶏肉が、餃子に挽肉が散見する程度なのでほとんど無し。ということで病気以前の冬の生活と比べるとメープルシロップが加わったくらいで変わりなし。ただ、酒を止めたのでそのカロリーとつまみのチーズ、ジャーキー、ホルモン、馬刺しなどがなくなった。相変わらずのエセベジタリアンなことはかわりなし。
 もちろん酸性食品・アルカリ性食品の区別、陰性陽性の区別はしていない。

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また、今日の新聞の1/3面広告『どうせ死ぬなら「がん」がいい』(近藤誠 宝島新社)
 すごいなあ。売れてるんだろうなあ。

 「治療をする」選択は、必ずしも正解ではありません。本書は、「がん」を「そのままにする」という生き方を提案します。

と言う宣伝文句にがん患者はぐらっとするだろうね。でもその下の方に

・胃がんも肝臓がんも放置すればラクに死ねる

とありますな。
肝臓がんは放置していいの?
以前に「はなちゃんのみそ汁」という記事で、この近藤誠医師の著書を引用したことがある。

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『ガン放置療法のすすめ』(近藤誠 文春新書)
帯にあるとおり「乳ガンは放置」のすすめである。こういう医者もいるから選択肢は難しい。

ただし、うっかり信じて死んでも近藤医師は責任を取ることはない。すべて自己責任でね。

ちなみに放置していい種類は
「肺ガン、胃ガン、前立腺癌、乳ガン」で、

「急性白血病や悪性リンパ腫」は抗ガン剤で治る可能性があるので治療すること。

しかし「肝臓ガンは命の危険が生じるまで増大するので放置してはいけない」とP14の「前書き」の部分に書いてある。

と書きました。

胃がんは放置してもいいけど、肝臓がんはダメなんじゃないんですか?近藤センセイ!言ってることが違いますよ!

 ああ、わかった! 肝臓がんはどうせ治療しても延命だけで治らないんから、苦しい治療などしないで放置してラクに死なせなさい、ですね。なるほど。でも、そう簡単にあきらめるわけにはいかない患者だっているんですよ。 (  ̄っ ̄)

 また、せっかく『どうせ死ぬなら「がん」がいい』を買っても、自分のガンが「がんもどき」ではなく治療の必要があるがん(「急性白血病や悪性リンパ腫」)だったらがっかりしますよね。

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2月の決算~ジョブズの死因?

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 228()68.1kg
 またもや月末である。療養生活も早11ヶ月になる。4月に社会復帰を狙っていたのだが、1週おきにしかこないのでは迷惑以外の何者でもないので、療養期間延長と相成った。
 と言うわけで少しも意味がない今月の決算である。
 

ロード0km MTB28km ローラー60km  合計88km 総計239km

体重66.9kg68.1kg 1.2kg
 
 ホントに載せる意味がないなぁ。o()o 半日でももっと走れる。雪解けと体調復活を目指しましょう。

治療した週はなぜか1kgくらい増えるのはなぜ? といっても最近ずっと67kg台だったので増えたのは間違いない。健康面では喜ぶべき何だろうけど、長年の習慣で増えるのは少し悲しい。

 自転車のお仲間たちは今年のレース計画を立てていらっしゃるが、まずムリだし。
 今朝やっと痛みや熱が和らいできたので、外に出ることから始めましょう。窓の外にさわやかな風と乾いた路面が広がっていればまだしも、分厚い雪と凍った路面ではいかんともしがたい。

 明日、娘2号の卒業式で初めてそんな行事に顔を出そうかと思ったら、風邪、肺炎、インフルエンザ…と家族から真顔で反対され、挙げ句実家の母まで出てくる有様で断念した。まあね、勘三郎に團十郎、病気だけならワタシも大物である。

 天気はピーカン。道路はぐちゃぐちゃ。午前中図書館に行って今日はおしまい。午後はまた辛くなってきたので寝た。
 
 
 先日、「マクロビは世界的に認知されていない」などと書いたんだけど、あの「スティーブン・ジョブズ」も「マクロビオティック」の信望者である可能性がでてきた。あるサイトで見たものなので、今度図書館にあるジョブズの伝記などで確認をしてからちゃんと訂正し、引用サイト名もきちんとあげたいと思います。
だいたいこんな内容の記事でした。

「ジョブズは診断の結果、膵臓ガンの中でも進行がおだやかで完治可能な神経内分泌腫瘍で、早期手術により大体の人は助かることがわかり、みんな大喜びした。しかし、ジョブズはマクロビオティックで治す方法をあれこれ試したり、スピリチュアリストに会いに行ったりと、9か月も手術を受けなかった。その後彼はこのことを後悔していた。」

 ジョブズさんのご冥福を改めてお祈りいたします。
 
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『ビブリア古書堂4』~卒業式なのに留守番(-_-;)

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今日は高校の卒業式があった。娘2号が卒業する。別段感慨はないが、これまで子どもの行事に出たことがないので出てみようかと思ったら、「風邪、インフル、肺炎」と家族中から反対され止めた。(-_-) 病気療養中のオヤヂが「卒業式に出るのもやっぱり変か…

仕方ないから「今日も1日遊んでいるしかない」、とLineでつぶやいたらKikuman師に「本でも書いてみたら」と言われたので、それなら、すぐ取材できそうな方々が多い『新しい三味線の弾き方』なんぞはいかがなもんか、といったら「売れない」と却下された。
エレキ三味だの鉄下駄三味だの破裂三味だのと、ニューアイテム花盛りでウォッチャーにとっては嬉しい限りなのだが。

午後から病院。雨。週末はまた寒波が来るらしい。

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  『ビブリア古書堂の事件手帳4~栞子さんと二つの顔~』(三上延 メディアワークス文庫)
今回は長編である。

北鎌倉で「ビブリア古書堂」を開いている篠川栞子と手伝いの五浦大輔が古書をめぐって事件を解決する「日常の謎」派の推理小説。

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 フジテレビの月9でドラマ化されたので爆発的に売れているらしい。見てないけど。

 さて今回は「江戸川乱歩」である。
 資産家の男が囲っていた女に残したものは、本の管理をするための洋館と江戸川乱歩の小説と雑誌だった。そして特別な金庫を開けてくれたら蔵書はすべて栞子が扱うことができる、という条件だった。しかしカギとパスワードがわからない。さて…

 短編では短いのでこのくらいがちょうどいい内容だ。謎の栞子ママも登場し、過去も次第に明らかになっていく。

 面白いです。ただ、271ページがおかしいと思う。完全なネタバレなので書かないけど。合わないんだよね。
 戦後版 5678番目である。何かのミスか。

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スティーブ・ジョブズとガンとマクロビ

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  先日、2月の決算~ジョブズの死因?」で、アップルコンピュータの創始者「スティーブ・ジョブズ」が「マクロビオティック」をやっていた、ということを書いたが、図書館から彼の伝記が借りられたので検証してみる。
 
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『スティーブ・ジョブズⅡ』(アイザックソン 講談社)
 以下「 」は同書の引用。連続している場合は最後にページを表記。

 「200310月」「腎臓と尿管のCTスキャンをするように勧められる」(p259)

 「スキャン結果をチェックした医師団から腫瘍があると告げられる」「腫瘍の生検もおこなった」

 その結果「パウエルによると、医師らは良かったと涙ぐんだらしい。膵島細胞腺種あるいは膵臓神経内分泌腫瘍と呼ばれるめずらしい腫瘍で、進行が遅く、その分、治療で得きる可能性が高いものだった。腎臓の定期検査でたまたま早期に発見できたことも幸運で、あちこちに手にする前に手術で取り除けそうだという」(p260)

 「ところが」「ジョブズは手術を拒否し」た。

 「『身体を空けていじられるのがイヤで、他に方法がないか少しやってみたんだ』そう当時を回想するジョブズの声には、悔やむような響きが感じられた。
 具体的には、まず、新鮮なにんじんとフルーツのジュースを大量に採る絶対菜食主義を実践。これに鍼治療やハーブを併用した。インターネットで見つけた療法や、神霊治療の専門家など他人から勧められた治療も試してみた。南カリフォルニアに自然治癒クリニックを持つ医師の勧めに従い、有機ハーブ、ジュース断食、腸の浄化、水治療、負の感情の表出などを熱心にした」

 「皆、繰り返し、手術と化学療法を勧めた。『なんたらかんたらの根だかを食べて治そうとしていると言われたので、それはばかげていると答えました』とグローブが言えば」(p261)「栄養学的な方法で病気を治す食事療法のパイオニアとして有名な医師、ディーン・オーニッシュでさえ、『一般的な方法を選ぶべきときもある、手術しなさい』とジョブズを説得した。ジョブズの抵抗は200310月の診断から9ヶ月間続いた」(p262)
 
 ここでは「絶対菜食主義」と書かれている。
 「マクロビオティック」もそうだが、魚肉・卵・乳製品・ハチミツを食べない菜食主義者「ビーガン」も「絶対菜食主義」である。

 どう違うか良く分かんないけど、まさかビーガンの方は「塩を多量に」とか「酸性食品・アルカリ性食品」とか「陰性・陽性」なんて言わないだろうからそこが違いだな。
 
 ではジョブズの場合は「マクロビオティック」と「ビーガン」のどちらかというと、「絶対菜食主義」とあるがCNNのニュースでは「マクロビオティック」といっているらしい。英語がわかんないのでなんともいえないけど。

 もう少し見てみよう。
 
 「20047月の金曜日、新しいCTスキャンには大きくなった腫瘍が写っていた」
 手術は行われたが、最終的には膵臓の一部のみを取り除く小規模な手術となった。
 「手術にはジョブズにとって問題となる副作用があった。ティーンエイジャーから続けてきた浄化・断食というおかしな習慣と菜食主義との関係だ。
 膵臓は食物の消化吸収に必要な酵素を作る器官であり、その一部を取り除くとタンパク質の吸収が難しくなる。したがって、術後は食事の回数を増やすこと、また、肉や魚のタンパク質、成分無調整の牛乳などをバランスよく摂取することが求められる」
 「2週間入院したが、その後も体力がなかなか回復せず苦労する」(p263)

 しかし「残念ながら、がんは広がっていた。手術中、肝臓に3カ所の転移が見つかった。9ヶ月早く手術していたら広がる前だったかもしれない」(p264)

 やはり、手術を腫瘍発見時に受けていれば助かった可能性がたかいな。手術をしてもすでに肝臓に転移していたことがわかったから。肝臓がんは治らないから究極の方法をジョブズは採ることになる。さすが大金持ち。肝移植手術だ。

 2008年、ジョブズは肝移植手術によりがんを取り除くことに成功した。これで完治したはずだが、一度転移してしまったのでまた転移をしてもおかしくはない状態になった。
 
  「2011年」「体重は52キロと、健康な頃より20キロあまりも減ってしまった」「新しい腫瘍が見つかったのだ。がんの進行で食欲はさらに落ち」た。

 「ジョブズの場合、食べ物に対する考え方が問題をさらにややこしくしていた。若いころ、断食で幸福感や法悦が得られると学んだため、食べるべきだと頭でわかっていても(医師らは頼むから良質のタンパク質を食べてくれと言っていた)無意識のうちに断食や果物食を求める本能のようなものがあるというのだ」(p398)

 ここで適切な治療を、例え延命治療だとしてもチャンスはあっただろう。しかしジョブズの心にはすり込まれた意識があり、それが彼を一層衰弱させていった。
 なんだか「マクロビオティック」に関わっていくとこんなのばっかりだ。真剣にやりすぎだよみんな。テキトーにやっていこうよ。
「マクロビオティックってやせるんだって」「きれいでおしゃれ」とかいったノリでさ。
 ワタシも「酸性・アルカリ性」「陰陽」とかいう非科学的な要素を抜きにすれば「マクロビオティック」も個人で楽しむ分にはいいと思う。ただ、自分も病気なので「助かるもの」を探している状態なんです。だから、他の人は勝手にやればいいと思いながらも、「はまらなければ助かったのに」という思いは残ってしまう。

 それにしても「スティーブ・ジョブズ」の伝記を「病気」を調べるために読んだのって珍しいだろうな。でもアップルコンピュータのことまったく知らないから、しょうがないか。

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スイングアウトするには理由がある

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朝から雪。寒波襲来っつーことで。風が強く吹雪いたり小雪になったり。
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今朝の新聞で「タブレット戦国時代」という記事があった。
この間買った「Nexus7」も、アップルのiPadよりも大きい10インチの「ネクサス10」になって登場。でも、7インチの方が片手で持てるので便利なんじゃないかな。今回は新発売に「くっそお~、もうちょっと待ってりゃ…」感はないなあ。十分満足してるし。この値段でコンピュータ端末が手に入るんだからお得だ。その点でジョブズは先見の明があったね。ビル・ゲイツはキーボードとかにこだわってたみたいだし。

午前中に図書館に『出星前夜』、『光圀伝』その他を返しに行く。そのほかいろいろ借りてきた。来週は入院かもしれぬので、1週間分の本を準備せねばなるまい。といっても積ん読本を消化すればいいだけなんだけどそれもまた味気なし。

 本屋で新潮文庫の新刊で『引かれ者でござい 蓬莱屋帳外控』が出たはずなので探したがなかった。もう、アマゾンでポチッた方が早い。でも本屋通いは止められない。
 
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 『スイングアウト・ブラザース』(石田衣良 光文社)

 題名の「スイングアウト」は三振の意味。つきあっていた女に振られた三十男三人にあこがれの美紗子先輩が声をかけてきた。

「もてる男養成講座の一期生になってくれない?」

 悪徳商法ではなく、この後まじめに「もてる男養成講座」が始まる訳なんだけど、『夢をかなえる象』の第2作『大金星』っていうが「いかにもてるか」で、コンセプトが一緒。まあ、どこにでも転がっている話なのでそれでもいいけど、そこまで落ちたか石田衣良。

 スイングアウトするには理由があるっていうことで、まったくもてないワタシは身につまされる部分は多かったけど、ファッショナブルで社交的な方々は不要な本です。多少なりともオス的要素が減ったと思う人は、病院の待合室にでもあったら読んでみて。
 
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ひな祭り~これでいいのだ…

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ひな祭りである。
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2号も3月でいなくなるので、ひな人形も今年限りで出さなくなるのかわからんが、とにかくのひな祭り






日中ずっとネコと暮らしているが、最近「戸を開けるニャア」というのが増えた。窓ではなく部屋のフスマ戸である。行ってなにするわけでもなく帰ってくる。しばらくこたつの脇で寝ていてまた、「戸を開けるニャア」と鳴いて振り返る。戸を開けてやってどうするかと見ていると、ぐるっと回って帰ってくる。

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  1970年、主人公ダニエルはだまされて冷凍睡眠で2000年の未来へ。

 未来からタイムマシンで1970年の過去へ。そして…。
 バックトゥザフューチャー」SFの傑作。


 家のどこかにある「夏への扉」をいつも探しているネコのピートがかわいい!

 

 とにかく名作!
 

…といいながら、うちではわたしが「夏への扉」を探してる。

 どっかに「夏への扉」、ないかなぁ。
 




なんて書いていた。
20091222日である。あれから4年あまり過ぎ、ネコは相変わらず夏への扉を探している。ワタシも同じく夏への扉を探している。ちょっと狭くなったけど、確実に未来へと続く扉だ。
 
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『奔る合戦屋』(北沢秋 双葉社)

『哄う合戦屋』 の続編。といってもこっちの『奔る~』の方が時代は遡る。

信州北信濃から東信濃までを支配する豪族・村上義清に仕える石堂家の次男一徹は十九歳ながらも六尺二寸(188cm)の巨躯で武芸は村上随一戦の駆け引きでも群を抜いていた。一徹の活躍で村上は数々の戦に勝つが、一徹は自らの報償を求めず無心に主君義清のために働く。そんな一徹に嫁取りに話が持ち上がり、「釣り合うよう」五尺四寸(164cm)の朝日が選ばれた。

「こうして向かい合って殿方の顔を見上げるのは、まことに心地よいものでございますね。いつもは見下ろすばかりで、なんだか申し訳ない気持ちになるのですけれども」
「拙者も女性の脳天は随分と見て参ったが、こんなに近いところに女性の顔があるのは初めてですな」

二人の出会いのシーンだが、作者の北沢秋の文が一作目より軽妙になっていることがわかる。
この後、石堂家の生活の様子が活写されるのだが、石堂膏という家伝の膏薬の製造と販売などの描写が面白い。また登場人物として、猿、三郎太、お花など多彩になってきている。
 
作者の北沢秋は60を過ぎて文筆業にはいるという離れ業を見せた。しかも第1作目がヒット。第2作目はどうせダメだろうと手を出さないでいたのだが、なんと第3作目まで出てきた。

『翔る合戦屋』である。
時系列的には
『奔る合戦屋』(青年期)~『哄う合戦屋』(壮年期)~『翔る合戦屋』
となるという。

…まてよ、と『哄う~』を読んだ方は思うだろうね。ワタシもそう思ったもの。
『哄う~』で終わりじゃないの?!ってね。それが終わらなかったらしい。

「それでいいのか!」
あの場面で終わったからこそ、ではないのか!

「それでいいのだ!」
赤塚不二夫じゃあるまいし、そううまく行くかどうか、第3作『翔る合戦屋』にすすもう。
 
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夜はハマグリの吸い物とでんぶが入った甘い中巻きがききょうや宅の定番である コメの量が多くないと形が悪いのでどうしても食い過ぎる(_-;)ハア…

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